さぁ「偉大な普通」を取り戻そう。僕らは「普通」をとうに忘れている

慢性化には理由がある:宿題のアレンジから入る

【初めに】当HPの内容は全て院長個人の見解である事をご了承下さい。私自身が臨床を通して見てきたモノをお伝えしています。

症状が慢性化を迎える人には幾つか特徴があります。

私が臨床で出会った「慢性化を迎える人」の特徴をここで紹介したいと思います。

アレンジから入る

慢性化を迎える人の特徴に「宿題にアレンジを加える」があります。自分なりの解釈を組み込んでしまうのです。

「アレンジ」自体は悪い事ではありません。当院では宿題を身に付けた人には「どんどん試して下さい」とアレンジを推奨しているくらいです。「自分で考え工夫をする」事はとても良い経験値になります。

ではどうして「アレンジ」が慢性化の原因となるのか。それは「アレンジから入る」場合です。そうなのです。宿題をキチンと身に付ける前に「アレンジ」を加える人がいるのです。これは順番が違います。

「アレンジ(編集)」ができるのは「ベース(基礎)」がキチンとできている人です。何故なら「アレンジ」とは「基礎」の上に「積み重ねる」応用だからです。

カラダは富士山の様に「5合目から」が通じません。必ず1合目からなんですね。

結果を急ぐ

アレンジから入る人の殆どは「早く良くなりたい」という気持ちが強いです。それが早すぎるアレンジの原因です。そして慢性化の原因でもあります。

「早く良くなりたい」という気持ちは誰もが持つものです。ですが、それは「ココロの都合」であって「カラダ」には関係の無い話です。カラダには「カラダの都合」というものがあります。そこに気付けない限り、逸るココロがカラダを追い詰めていく。私は沢山のそんな人を見てきました。

そしてこの話をした時の、皆さんの仰る言葉が見事に同じなのです。

「頭ではわかってるんです。でもね」

わかります。私のヘルニア前が正にそんな心持ちでした。そして私はヘルニアを迎えてしまったのです。誰が悪いじゃありません。私が自分でヘルニアを招き入れたのです。カラダは必死にヘルニアだけは防ごうとしてくれていたのに。

「頭ではわかってるんです。でもね」

この言葉が頭に居座っている時、まだカラダと向き合う段階ではないのです。そのずっと手前「ココロと話し合う段階」なのです。

まずはそこに気付く必要があります。

もう、自分の都合(期間やコスト)で良くなってくれるカラダでは無いと。

自分(ココロ)の方がカラダに寄せていかないと望む結果が得られないのだと。

転院の原因は内側にある事も多い

慢性化を迎える患者様の中には「転院」をかなり頻繁にされている方がいます。「良い先生に出会えなかった」と。

実際、良い先生に出会えなかったというケースもありますが、割と多いのが「自分の聞きたい答えが貰えなかった」からという理由です。

できれば2回で治したい。できれば10,000円以内で。できれば治療は30分くらいで根本的に。

これは「カラダ」の事を知らないからこそ言える言葉であり、抱ける願望です。カラダを学んだ人間が「ハイ、任せて下さい」と請け負えるものではありません。

それを請け負える専門家は単なる無責任です。後で起こるのは「聞いていた話と違う」という結末だと思います。

そういった話も沢山聞いてきました。ですが、それは「お互い様」の話なのです。「過剰な要求」と「無責任な請負」が噛み合った結果。

まずは自分の内側と向き合いましょう。そこで「自分の軸・方向性」を定める事が全ての始まりとなります。